| ロイ×エド子吸血鬼パラレルのパラレル 捧げたいもの ※ このお話はパラレルのパラレルです、苦手な方はくれぐれも気をつけてください。 *--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--* |
それは二人きりで庭を散歩していた夜の事。 「なぁロイ…ちょっと痩せ過ぎじゃないか?」 肩を抱かれたまま歩いていたエドワードはロイの腰に回していた小さな手の平をぺたりぺたりと彷徨わせた。 「む…。まだ本調子ではないからね、仕方ないとは言えやはり痩せ過ぎかな?」 「んー、そうだな。ごりごりしてる。」 「ごりご………っ……。」 抱かれ心地が悪いっていう事なのだろうか。 突然黙り込んでしまったロイをちらりと見上げれば、眉間に皺を寄せてどこか一点を見つめている。 「ロイ?」 「あ、あぁ何だい?エディ…。」 「お腹減ったんじゃないの?ほれ…。」 クロゼットの中には結構な数のドレスが用意してあるというのに、滅多に着てはくれないエドワードはアルフォンスのための白いシャツを勝手に拝借して身に纏っている。 慣れた仕草でゆっくりとボタンを外し、首筋を夜風に晒すと遠慮するなと言わんばかりに精一杯背伸びをしてロイの首にしがみついた。 食事もしっかり摂り、ロイとの生活に合わせるため昼間ぐっすりと眠っている。 ロイは少し考えた風だったが、優しく頬に触れて顔を上げさせ顔色を確認すると、ふわりと微笑んで啄ばむようにぷくりと甘い唇にキスをした。 優しすぎるその動きはまるで儀式のようで、頬を染めた小さな少女の胸を熱くさせた。 歯が触れる場所に舌を這わせ、丹念に舐め上げるとそっと牙を立てる。 突き刺さる瞬間のぶつりという音は、エドワードを毎回震えさせるのを知っているから尚更。 「ん…ふ、ぅ……。」 金色の瞳を涙で滲ませ、声が出ない様に口元を必死で押さえる少女の姿はあまりにも官能的だった。 最初に血を飲ませて貰った時はまだ快楽も知らない幼すぎる子供であったが、今は違う。 吸血鬼に血液を吸われるという行為は人間にとってセックスと同等の感覚を与えてしまうのだ。 首に回されていた両腕は力無くだらりと下ろされ、支える事もできないであろう足元を気遣って腰を抱きしめれば心許なく震える身体。 出会いから一年経った今も身長はあまり伸びず小柄なままだから多少の罪悪感も否めず、だからと言って愛し過ぎる彼女を今更手放す事など考えられよう筈も無い。 視覚が、聴覚が、触覚が、嗅覚が、今すぐにでもエドワードの全てを奪ってしまえとロイを激しく揺さぶりかけていた。 「はぁっ…ろい、ろいぃ…。」 襟元に力無く縋りつかれ、我に返ったロイは慌てて牙を抜いた。 体温が下がってしまい、ぐったりと弛緩した小さな身体を優しく摩ってやりながら吸血痕を舐め消す。 「すまなかった…辛かったかい?」 「ん…だい、じょぶ…。」 とろりと蕩け、潤んだ瞳。 はふ、と吐き出された吐息があまりにも甘い香りで、我慢できずに力一杯掻き抱いた。 胸元に置かれていた手がロイの額に触れる。 眉間の皺を伸ばすように動かし、楽しげにくすくすと笑いだした。 「なんでいつも飲み終わった後そんな情けない顔すんだよ。かっこわるいぞ?」 「う、そうかい?…しかしだねエディ…。」 「心配し過ぎなんだ、俺は大丈夫。」 エドワードの言葉が嬉しくて、へちょりと眉尻を下げたまま笑ってみせる。 力の抜けたエドワードの身体を壊れ物を扱うようにそっと抱き上げ、耳元にキスをした。 この抱き方が苦手なのか、居心地悪そうにもぞもぞと身じろぎするが、下ろしてやる気など一切ない。 ぎゅっと少しだけ力を込めたら、可愛い口から批難の声。 「ろい!力抜け、骨が当たって痛いんだよ!!」 「…少し太るべきかな…。」 「太るっつーか…筋肉も薄いもんな、アンタ。」 「………。」 がっくりと肩を落とし、項垂れるロイの背中をぽんぽんと叩き、目を瞑る。 ほわりと訪れる眠りの波に飲まれながら、エドワードは幸せそうにくすりと笑った。 「てか、何してるんスか?伯爵…。」 呆れ顔で部屋を覗き込むハボックに、ロイは動きを止めずに目線を流す。 「見れば判るだろう?」 「えぇ…まぁ…。」 ぽしぽしと顎を掻きながら溜息をつく。 「またエドに何か言われたんスか?」 「別に……。」 ぷいと視線を逸らす。 まだ若年とも言えるハボックには想像もできない程長い時を生きてきたこの男が、何故あんな小さな人間の少女に翻弄されているのか不思議でたまらない。 くくっと笑いを漏らすと、物凄い形相で睨まれてしまった。 「吸血鬼にウェイトトレーニングなんて必要ないでしょう?」 「ほっとけ。」 「この屋敷くらい一瞬で壊せるくせに…。」 やれやれと背中を向け、部屋から退出しようとした瞬間、アルフォンスがひょっこりと顔を出した。 「伯爵、頼まれてたやつ街で買ってきましたよ?」 「ああ、すまなかったねアルフォンス。」 「なんだそれ?」 随分と大きな紙袋をどさりとサイドテーブルに置き、入り口に立っていたハボックにとてとてと近づくとくいくいと指で合図して身を屈めさせる。 耳元でこっそりと教えられた商品名を聞いて、ハボックは青褪め叫んだ。 「ちょっ!伯爵、駄目ッスよプロテインなんか飲んじゃ!!!」 「あっ、ハボックさん!」 別の意味で慌てふためく二人に、ロイは持っていたダンベルを力一杯投げつけた。 無論照準はハボックであったが、二人が一斉に左右に避けたので凄い音を立てて壁にぶつかり落ちる。 「…あ、危ないじゃないッスか!俺はアンタを心配して言ってるのに!!」 「え、吸血鬼はプロテイン飲んじゃいけないんですか?」 きょとりと愛らしく首を傾げる少年に、どす黒いオーラが見える。 「アル、お前には教えてあったはずだよな?」 「そうでしたっけ?」 にこにこと笑うアルフォンス。 ロイは怒りで今にも発火布をつけんばかりの勢いだ。 ハボックは野性的に命の危険を感じ、アルフォンスを脇に抱えるとそのまま走って部屋を逃げ出した。 「どうしたんだ?アル、ハボックさんに抱えられて。」 たまたま通りかかったエドワードが不思議そうに弟の顔を覗き込めば、じわりと涙を瞳に溜めて上目遣いで両手を伸ばす。 「アル?」 「姉さん!酷いんだ、伯爵が僕を殺そうとしたんだよ!!」 えー???と内心叫んではみたものの、ハボックはころりと演技を始めたアルフォンスの黒さに恐怖を感じ言葉も出ない。 エドワードは溜息をついてアルフォンスを受け止め、地面におろしてやった。 「アル、今度は何をしたんだ?」 「姉さん僕を信じてくれないのー??」 うわぁぁん!と本気で泣き出した(ように見えた)アルフォンスをよしよしと撫でてやるエドワード。 「今伯爵んとこ行ったら、半泣きだったからな…お前が何かしたんだってすぐ判ったぞ。」 ハボックの方を向いて「ちっ」という表情を見せたアルフォンスもアルフォンスだが、小さな少女に半泣きで縋りつく吸血鬼もどうなんだ? 姉に促されてとぼとぼと部屋に戻っていく弟を見送り、ハボックは壁に手を突いて深い深い溜息を吐き出した。 「人間って怖い………。」 END |
今回はパラレルのパラレルです(本編とは別モノ)。本人至ってギャグのつもりです。 なんだか私筋肉マニアみたいですね。いやあながち間違いではありませんが(笑)。 どうしてこの話ができたか?それはイオさんのサイトで頂いた拍手レスからですよ。 ははは。思い立ったが吉日です。後悔先に勃たずですよ!!! pana 2005/11/15 |
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