| ロイとハボとエド(完結) Triangle act.7 |
恋する馬鹿男が二人、息を詰めて扉の前で佇んでいる。 ハボックはちらりとロイを見て、ロイはそれに気付き目で入ろうと促した。 コンコンコン。 「私とハボックだが、入ってもいいかな?」 軽くノックする。今度はちゃんと声をかけるのを忘れずに。 少しして小さく返事が返ってきた。 「鍵開いてるから、どうぞ。」 そっと扉を開けるとエドワードは窓辺で椅子に座り外を眺めていた。 「鋼の…話があるんだがいいかね?」 「あぁ、何?」 事の他真面目なロイの声に、外を向いたままなのは礼儀に反すると身体の向きを変える。 ハボックは扉の側に立っていた。 ロイはエドワードに近付くと床に跪き、見上げる体勢をした。 「先程はすまなかった、先に謝っておくよ。」 「気にしてない、あれは確かめもせず開けた俺が悪かったんだ。少尉も謝らないでいいから。」 ハボックはそれに対して「すまない」とだけ答えた。 「こんな醜い身体見られた所でどってことねぇ。」 吐き出すように放つ自分を卑下する言葉に二人は眉を寄せる。 「鋼の、それは違う。」 「大将、馬鹿言うな。」 ほぼ同時に否定され、俯く。 (だって事実だもの…。) 「もう触れないつもりだったけど、…えと、こんな言い方悪いかなとも思う…俺達さっき大将の肌や機械鎧を見て興奮したんだ。」 「そう、とても美しくて正直焦った。女としても、人としてとても魅力的だったよ?」 驚きで見開かれる瞳は今にも零れ落ちそうな黄金色。 「何…言ってるのさ、こんなツギハギだらけの身体…」 それでも己を否定する事しかできない悲しい唇を二人は黙って見つめていた。 「その腕も足も恥じるものではないよ?」 ロイの右手が優しく髪の毛を梳く。 「全部ひっくるめて大将だろ?」 いつの間に近付いてきたのかハボックがいつものように頭をわしわしと撫でた。 「鋼の…。」 「大将。」 「この手足がなかったら我々は出会えなかったね?」 「この足は母さんへの愛、この腕はアルへの愛だったんだろ?もっと誇りに思え、な?」 「あまり悲しい事ばかり言うものではないよ。」 「俺達はそんなお前も愛してるんだけどな!」 二人の手は全く違う動きでエドワードを癒す。 少し強引なハボックの手、壊れ物を扱うような優しいロイの手。 温かくて、優しくて、エドワードはほろりと涙を零した。 「鋼の、私は君を愛してるよ。」 「俺も、大将の事大好き、好き過ぎ!愛してる。」 「あい、してる?」 流れた涙を拭いもせずにきょとんと目を開く。 「私たちは一回り以上も年下で、生意気で口の悪い錬金術師に馬鹿みたいに恋をしてる。」 「ライバルが焔の錬金術師で敬愛する上司殿でも譲れないんだな、これが。」 「な、に言ってるの?」 困惑するエドワードに二人はくすりと苦笑した。 別に答えを求めたい訳じゃない、追い詰めたいんじゃないんだと頭を撫でる手はそのままに。 「じゃあお昼のは本当に俺を奪い合ってたのか?」 「そうだよ?」 「負けらんねぇよ『お前』だから。」 みるみる赤く染まるエドワードの頬、まだ少し潤んだ瞳があまりにも愛しくて二人は息を飲む。 「俺…っ、愛とか恋とかわかんねぇしっ!」 「だろうな、君はあまりにも前だけ見て走りすぎだ。」 「豆だしな。」 「るせー豆って言うな…。」 毒づく言葉は照れているのか恥ずかしいのかいつもの勢いは息を潜めて、でも小さな明かりのように二人を安心させた。 「俺どっちとか、わかんない。二人共好き。大好き。」 だめかな?と首をかしげて見上げるエドワードに蕩けるような微笑で答える。 「二人の手は全然違うのに、とっても温かくて安心するんだ。」 ハボックは吸い寄せられるようにロイの横で膝立ちした。 ロイは右手を、ハボックは左手を取って恭しく口付ける。 眠気が襲ってきたのか金色がとろりとまどろみ、エドワードの両手が二人を同時に抱きしめた。 「あり…がと……。」 寝息をたて始めた少女の頬に男達は同時にキスをする。 起こさないように慎重に腕を外すとハボックは寝やすいように寝台を整え、ロイが抱き上げて運んだ。 椅子を二脚ベッドサイドに寄せて座り、穏やかな寝顔を見ていたら、なんだか三人一緒に幸せになれたような不思議な気持ちになった。 「大将、警戒心全く無いみたいッスね。」 「まぁ、これからのお楽しみだな。」 こんなのも悪くない。 どちらが呟いたのか、優しい関係が夜の闇に溶けていった。 END *--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--* H「寝顔見てるだけって結構忍耐力いりますね。」 R「うむ。かなりキツいな。寝ているのがベッドなだけに我慢が効かん。」 H「まぁ俺らは『そういう対象』としてエドを愛しちゃってるし…。」 R「これが当分続くとなると、何年ぶりかに右手が友達になるかもしれん、悩むな。」 H「アンタ!何年も右手使ってなかったんスか?俺なんかしょっちゅうなのに(号泣)」 R「女には不自由していなかったからな、この二ヶ月綺麗なもんだ。そろそろヤバイ。」 H「濃そうッスね。諦めてマスかいて下さい。」 R「ふっ…今夜のザー●ンはちょっと凄いぞ?(遠い目)」 H「心底馬鹿ですかアンタ…。」 ← / END |
| 甘々し過ぎが恥ずかしくて必死でオチをくっつけるお下品魂ココニアリ まぁ本当は中尉とか准尉とか曹長とかひっくるめて皆が大好きなお子様なんですけどね。 そんなこんなで、このお話も気が向いたら続編書きます。 よろしければ激励感想などお願いします。 pana |
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