ロイとハボとエド
Triangle act.5





アルフォンスの身体の汚れを丁寧に落とし、オイルで磨いてゆく作業は結構な根気と力が必要で、終わる頃には汗だくになっていた。
中央行きの列車はまだあるが宿が取れるか不安が残る。
アルフォンスが一緒の場合保護者に見られて大抵飛び込みでも泊めてくれたりするんだが、エドワードだけだとそうはいかないのだ。
出発するにせよ、しないにせよ汗が気持ち悪い。

広げた新聞紙とオイル缶と布を手際よく片付けて、エドワードはシャワー室に飛び込んだ。
少し熱めの湯が気持ちいい。
決して高級な宿でもないので湯量が少ないのは仕方ないが、程よい温度なので気にならなかった。

お気に入りのシャンプーをふわふわに泡立てて金色の髪を洗う。
優しい香りに包まれていると、なんとなく落ち着いてお昼の出来事を考える事ができた。



意地悪や嫌味の言葉の影で俺の事心配して、立ち止まりそうになると叱咤してくれる大佐。
気付かれないように裏で手を回してくれてなかったら俺達こんなに自由に旅なんかできてないのを俺は知ってる。

嫌な事があった時、何も気付かなかったふりして大きな手の平で頭をくしゃくしゃしてくれる少尉。
飄々とした態度だけど、人の機微には目敏く、弟を守ろうと虚勢を張る俺に息を抜かせてくれる人。

二人とも尊敬していたし、大好きだった。だからあんな風にからかいや遊びの対象として扱われたのが悔しくて悲しかったんだ。
女である事を言わなければ良かったのかな…。




一通り泡を流して備え付けのバスローブを着る。
安宿の割には宿の主の人の良さを思わせるようなふかふかのタオルで、心地よく髪をぬぐった。
少しだけ気分も向上して、バスルームを出、整理中だったトランクの中身を物色して下着を探していると控えめなノックの音が聞こえた。




「アル?ちょっとまて、鍵閉まってるぞ。」




てっきりすっかりアルフォンスだと思い込み、鍵を開けた途端入ってきたのは軍服のままのロイ・マスタングとジャン・ハボックだった。
水に濡れ水滴が滴る蜂蜜色の髪、普段機械鎧を隠す為に常にきっちりと着込まれた服が今はバスローブ一枚、白い首筋や足が惜しげもなく晒されたエドワードの姿に女慣れしているはずの二人の男は目を見開き動きを止めた。


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


間違えても色っぽいとは言い難い絶叫を聞きつけ、アルフォンスと彼を迎えに一緒に来ていたホークアイが駆け付ける。

「ねえさ…ぎゃー!ちょっと!出て行ってください!大佐!ハボック少尉!!!」

固まっている二人をぐいぐいと引っ張る。
ホークアイはエドワードの前に立って二人の視界から隠そうと背中を向けてエドワードを抱きしめた。
やっと部屋から出し扉を閉めたアルフォンスは扉と二人を遮るように仁王立ちして威嚇する。

やっと我に返ったロイとハボックが最高潮に顔を赤らめ前屈みになってしまったのは言うまでも無い。




「ちゅうい〜!」
「とりあえず服着ましょうね、大丈夫よ」

普段男勝りな態度をしていても少女は少女、瞳を潤ませて縋り付く姿はあまりにも歳相応で、鈍く光る機械鎧が痛ましい程だ。
ホークアイは優しく背中を擦り、落ち着くのを待ってベッドの上にあったシャツとパンツを適当に着せた。

(あの馬鹿共!!!!)

手渡された水を飲み、落ち着いたエドワードは完全に怒りで目を据わらせ、愛銃を携えたホークアイの姿に青褪め、慌ててしがみ付く。

「ちょっと待って待って!中尉っ!!!」
「止めないでちょうだいエドワード君、今日いう今日は殺さないと納得できないのよっ!」
「俺が悪いんだから、アルだとばっかり思って確認もせず鍵開けたんだ!」

それがどうした、よしんばエドワードに非があったとしても乙女の柔肌を見た罪は重い。
撃ちに行こうとする中尉と必死で止めるエドワードの攻防が暫く続いたが、先に力を抜いたのはホークアイだった。

「取り乱してごめんなさいね?」
「ううん、俺こそ自分が悪いのに叫んだりして…。」
「馬鹿ね、普通よそれが…。」

優しく頭を撫でてあげると気持ちよさそうに目を細めたエドワードが可愛くて仕方ない。

「あの二人、貴女に話があるってここまで来たのだけど…今日じゃないほうがいいかしらね…。」
「話?」
「大事なお話みたいよ。」
「じゃあ別に今でもいいよ?だってさっきのは事故だもの。」
「そう?じゃあ呼んでくるから…。」
「中尉、アルを宜しくお願いします。凄く楽しみにしててさっき全身オイルで磨いたんだよ?」

くすくすと笑うエドワードにつられてホークアイも微笑む。

「それじゃあ、精一杯エスコートさせて頂くわね。」
「うん、初デートが中尉なんて羨ましいな♪」
「今度エドワード君ともデートしたいわね。いいかしら?」
「勿論、喜んで!」

あんな馬鹿男二人に奪い合いをさせるには本当に勿体無い程可愛くて優しい少女。
何かあったら必ず自分が守ると決意を新たにしながらホークアイは部屋を後にした。





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おっぱいの描写を忘れました。
もうだめだ、凄く悲しい。←足せばいいじゃない。

pana








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