ロイとハボとエド
Triangle act.4





エドワードはイーストシティで満室でない限りは定宿にしている宿屋に戻っていた。

あんな事があって相当怒って出て行った姉の事だから、すぐに荷物を纏めて出発しようとするだろうと踏んだのだ。
まぁ案の定その通りだった訳だが。

アルフォンスは宿についてすぐ宿屋の主人に姉が帰っているのを確認して、部屋に行く前に電話を借りた。
外線電話だし軍属ではないけれど、東方司令部の中では電話交換士でさえ兄弟の事を知らないものはおらず、毎回案外すんなり繋げてもらえる。
呼び出したのはホークアイ中尉だ。




『もしもし、アルフォンス君?』
「あ、すいませんお仕事中に…。」
『気にしないでいいのよ?皆エドワード君の事心配しているし。』
「ありがとうございます。」
『で、エドワード君は?』
「今いつもの宿にいます。まだ部屋には行ってないんですけど多分荷物纏めて出発する準備してるんじゃないかと…。」
『そうよね、あれだけ怒ってたんですもんね。となるとちょっとやそっとじゃ戻って来ないかもしれないわねぇ。』
「そうですね、半年は堅いんじゃないでしょうか。」
『明日まで引き伸ばせるかしら?』
「頑張ればなんとかなるかもしれません。」
『お願いできる?今夜あたり二人を謝罪に向かわせるわ。』
「わかりました。頑張ってみます。」
『互い苦労するわね?』
「本当に…。」
『どうかしら、三人が話し合いをしている間私とデートでもしない?』
「えっ、いいんですか?凄い嬉しいです!」




先程より明らかに機嫌良く階段を上がっていく。
突き当たりが姉さんの宿泊している部屋だ。
着替中だったりしたら困るので一応ノックするのが暗黙のルール。

「姉さん今いい?」
「アル?いいぞ〜」

丁度荷物を綺麗にトランクに詰めなおしている最中だったらしい。
綺麗に畳んだ着替えなどがベッドに順序良く並んでいる。

「姉さん、出発する気?」
「ったりめーだろ、あんな胸糞悪い所二度と行かねーぞ!!」

判りやすい姉の行動に、音にも呼吸にもせず気分だけで溜息をつく。

「行くってどこへ行くのさ?まだこっちに来たばっかりで新しい文献も資料も見てないじゃないか。」
「中央でも行けばなんかあんだろ?」
「実は今夜ホークアイ中尉にデートに誘われちゃったんだ♪」
「はぁ?でぇとぉ?」
「何か問題でもある?」

可愛い弟がデートと言えば多少複雑ではあるのだが相手がホークアイ中尉なら安心だろう。
エドワードは嬉しそうな声で喋るアルフォンスに綺麗に笑って言った。

「じゃあ俺先行ってるから、お前明日でも明後日でも中央来いな!」
「えっ?ちょっと待ってよ姉さん!」

まだなんかあんのか?と視線を荷物に戻し、整理しながら小物を詰めてゆく。
時計を見るとまだ16時、中央行きの列車は結構遅くまであるのでせめてロイとハボックが定時で終わりここに到着するまでは足止めしなければいけない。
軽く見積もってあと2時間。

「あ、姉さん…僕今日初めてのデートなんだっ!」
「あぁ、良かったなぁ楽しんで来いよ?」
「おしゃれして行きたいなっ!オイル…塗ってくれる?」

エドワードはどんな状況下でも弟に甘い。それを存分に利用すべく首を傾げてお願いのポーズを取った。

「おう!ったりめーだ。俺がどこに出しても恥ずかしくない程ピッカピカにしてやるぜ!!!」


まんまと騙くらかした罪悪感はあるものの、デートが楽しみなのは嘘じゃないので嬉々としてオイルと布を用意する姉の単純さと優しさに感謝した。
前は本当は自分でも出来るのだが、いざって時は姉が丹念にやってくれる。
今日もそのつもりなのだろう、結構な力仕事だが丁寧に施して体力のある姉ならざっと一時間半ってところだろうか。

(どこまで引き伸ばせるか判らないから早く来てくださいね中尉!!!)


「アルちょっと待ってろ、下で古新聞貰ってくる。」
「うん、ありがと姉さん♪」


ぱたぱたと階下へ降りてゆく足音を聞きながら、アルはこの後どうなるかを考えていた。






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うう眠い…。

pana








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