| ロイとハボとエド Triangle act.3 |
司令室の中は恐ろしい程凶悪な空気と静けさが漂っていた。 それもそのはず、傍観していたホークアイが色々な意味で怒り狂っているからだ。 「二人とも正座してください。」 「「…はい…」」 大人しく言われた通りにする上司と部下。 追いかけたいという衝動はアルフォンスが出て行った事で我慢したらしい。 「先程のアルフォンス君の言った意味、お解かりですか?」 「「…………。」」 「大事な事をお忘れじゃないですか?エドワード君が怒って出て行ってしまうような、とても大切な過程を…。」 ロイもハボックも神妙な顔で黙り込んでいる。 まだ判らんのかと米神に青筋を立て、怒鳴りつけようとした時、助け舟を出したのはブレダ少尉だった。 「奪い合うより先にまずは想いを伝えるもんじゃね?」 あ、と同時に思い出す。 司令部に到着した途端に奪い合いは始まって、まだ二人共きちんを愛を告げてはいなかった。 一番重要な部分を蔑ろにして恋も知らない初心な少女を奪い合うなんて、しかも同僚達が傍観している中でだ。 一回りも歳の離れた子供にどんな本気が伝わるだろう。 普通に考えればバツゲームのネタにでもされてからかわれてるんだ、遊ばれてるんだと思ってしまっても仕方ない。 馬鹿みたいに並んで肩を落とす男達にやれやれと溜息を零し、東方司令部の女帝は口を開いた。 純粋な妹のような少女と姉想いの弟のために。 「今から30分だけ差し上げます。執務室でお二人一切言い争いの無い話し合いをなさってください。」 「中尉…すまない。」 「ありがとうございます。」 「くれぐれも、彼女がまだ傷つきやすい14歳の少女だと言う事をお忘れないようにお願いします。」 「「はい。」」 男二人の執務室。 子供に本気で恋をした二人の馬鹿な大人がソファーに座って考え込む。 どちらも譲れないし、抜け駆けだけはされたくない。 独占欲だけは強いのだ。 「お前が本気なのは判っているのだよ。」 「大佐も本当に女遊び辞めちまいましたもんね…。」 はぁ〜と同時に溜息。 「まずはそれぞれ告白ッスかね?」 「そうだな。しかしお互いの知らない場所でやるというのもどうだろうか。」 「俺は大佐と違って告白したら即押し倒すとかそんな事しませんよ!…ってあー…そうッスね目の前でやって欲しいかも。」 「貴様、私を何だと思っている?」 とりあえずは二人同じ場所で順番に愛を告げるという事に決まった。 どちらかに決めさせる事もまだしない。 彼女の心がどちらに動くにしろ、それは彼女次第だから。 「長期戦になりそうだな。」 「ですね。」 「それにしても、我々はロリコンじゃないはずなんだけどなぁ…」 「そうなんですよねぇ…」 「でも愛おしいんだよな。」 「物凄く。」 「大事にせんとな。」 「全くです。」 なにぶん色恋に疎い少女だから、大切にゆっくりと恋をしてもらわなければいけない。 私生活が急ぎすぎて疲れすら誤魔化し前しか見ずに真っ直ぐ生きている子供。 危なっかしくて、庇護欲を煽られる。 でもプライド故か、自己保身の為か甘える事など必要ないと虚勢を張るので、隠れて目立たぬように手を差し伸べてきた。 ロイにはロイにしか出来ぬ事を。ハボックにはハボックにしか出来ぬ方法で。 馬鹿な男達は急激に仲間意識を強くする。 二人で守れば至れり尽くせりじゃないか? お互いが埋められぬ穴をお互いが埋めれば万事OK。 「もしも、最終的にエドが選ぶのが大佐でも俺は満足ッスよ。」 「私も貴様なら安心して預けられるかもしれん。」 「まぁ負ける気はしないッスけどね。」 「ふてぶてしいな、まだ貴様には負けんよ?」 恋する男達は妙に爽やかに笑いあう。 この先どんな展開になっても、必ずエドワードだけは笑顔でいさせようという決意を胸に。 ← / → |
| 続きは明日の夜にUPします。act.4〜最終話まで。 中途半端でごめんなさい。 pana |
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