| 拍手御礼SS 『ロイ・マスタングの霹靂』 |
「大佐、まさか姉さんが初恋ですか?」 嘲るようなその言葉に私は両手を床についていた。 まさに打ちひしがれている状態だ。 愛しいあの子の目の前であの子の最愛の弟によって完膚なきまでにやられた…っ!!!! 初恋の何が悪い? 確かに簡単には信用して貰えないほど女性関係は派手だったし素行も悪くてイジワルもいっぱい言った! でも…でも…本当に今は鋼のだけなのだっ。 女達とは今縁を切っている段階だが、そうでなければ会う気もしないし肌を重ねたいなどとも思わない。 今私の股間を熱くするのはエドワード・エルリック、君だけ…。 叫んでしまえばいい!(←やめとけ。) 君を愛してると…でもっ………。 イヤ!ムリ!恥ずかしいぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいい!!! くそ、私は何の反撃もできないままあの腹黒い近親相姦鎧に負けを認めるのか? ていうか、あれはないだろ!いくらなんでも私が可哀想だろう? 悔しくて苦しくて、でも愛しくて顔を上げて鋼のを見る。 未だ彼女はホークアイ中尉の胸に抱かれて怯えていた。 その脇には自分は悪くないよ、姉さん大丈夫?僕がついてるからね、あんな男に近付いちゃだめだよ!といい人ぶったアルフォンス。 そうか、そうだよな…私なんかどうせ…。 もうこれ以上見たくなくて、眉を顰めた瞬間にこちらを伺ったエドワードと目が合った。 「アルの馬鹿!!!」 時間が止まる。 その場にいた誰もが動きを止めて驚愕の目を見開いていた。 「ちゅういおろして!」 もがいてもがいてホークアイの腕から抜け出たエドワードは真っ直ぐ私に走り寄る。 「大佐…大丈夫か?」 声も出せずにひたすら顔を縦に振る私。 みっともない大人に同情したのかい?鋼の…。 惨めになって俯くとエドワードは私の頭を抱きしめてよしよしと背中を撫でてくれた。 頭上で響く愛しい声。 「アル!お前なんで時々そうやって物凄く意地悪なんだっ?!さっき俺に聞こえないように絶対何か言っただろ!!!」 「ね…姉さん!」 「ごめんな大佐、許してやってくれな?」 ガシャガシャと激しく狼狽しているアルフォンス。 「姉さん…僕…。」 「もういい、お前今日は帰れ。そんで明日でいいから大佐に謝れ。」 姉の威圧感。 厳しくも優しい肉親の愛。 嗚呼、鋼のは私の味方なんだ。 愛されてるんだ。 片思いじゃなかったんだ! 「はが…」 「大佐、具合悪かったんだろ?さ、行こう…。」 心配そうに私の顔を覗き込むエドワード。 くっ…不謹慎にも股間が反応し始めている…。 くいっと軍服の胸を引かれ身体を少し傾けた私の額に合わさる鋼のの小さなそれ。 思わず顔を赤らめた瞬間、それは離れてしまったけど明確な温もりを感じた。 「ん、熱は無いね。疲労かな?医務室まで行く事もないだろうし、大佐の仮眠室行こう。俺がついてってやるよ?」 「鋼の…うぅ…。」 「泣くなよ、アンタらしくねぇよ。」 先に立ち上がったエドワードは私の両手を掴んで立ち上がらせてくれた。 視界の端に呆然と立ち尽くすアルフォンス。 私が真っ直ぐ立てないのを見て私の腰に手を添えて肩を貸してくれた。 すまない、鋼の。真っ直ぐ立てないのは具合が悪いからじゃないんだ…。 END *--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--* 〜その後の軍部+弟〜 アル「うわぁぁぁぁんねえさぁぁぁん!!!」 リザ「まぁまぁ落ち着いてアルフォンス君。」 アル「落ち着いていられますか!あんな狼と二人きりで仮眠室行っちゃったじゃないですかぁぁぁっ!」 リザ (うるせーな、シスコン鎧…) アル「今何か言いました?」 リザ「言って無いわよ?(ちっ結構鋭い…)」 アル「姉さんが怒ってる…僕の事おこって…あ…っ。」 リザ「?」 アル「よ、よく考えたら…僕この姿になって初めて姉さんに本気で怒られた!!!わぁい!」 リザ、ハボ、ブレ、フュ、ファ「「「「「……………。」」」」」 ハボ「しっかしなんで突然大将は大佐の味方になったんッスかねぇ。」 フュ「さっきの大佐はまるで怒られた後の犬みたいで悲壮感漂ってましたよね。」 アル「……………犬?」(黒オーラ全開) ブレ「ど、どうしたんだアルっ!」 アル「ね…姉さん…まさか…。」 リザ「しっかりしてアルフォンス君!」 アル「姉さんの…小さい頃の夢は…。」 ファ「夢?」 アル「……かっこ良くてちょっとすっとぼけてて人の言葉を理解できる賢い大型犬を飼う事だったんです…。」 リザ、ハボ、ブレ、フュ、ファ「「「「「……………。」」」」」 アル「もしかして姉さん大佐を飼う気なんじゃっ!!!やですよあんな発情しっぱなしの犬なんか!僕は猫がいいっ!」 リザ、ハボ、ブレ、フュ、ファ(((((そこじゃないだろ?))))) |
拍手御礼SSもこれで9作目になりました。 究極のヘタレ道を征くマスタングの運命はいかに。 皆様いつも温かい拍手ありがとうございます。 お楽しみ頂けたら嬉しいです。 pana 2005/10/18 |