エド子長編にするつもりなかったのに長編。
Only For You,Only For Me act.1





「何故来るなら来ると連絡ひとつ入れられないんだ?」
「めんどくせーから。」


本当は違う。アンタの仕事を邪魔したくないから。








これで何度目だろう。
イーストシティの駅を出てアルと宿まで歩く道。
駅前は賑わっていて高級なホテルやレストランなどが沢山ある。

「あ、兄さんあれ大佐だよ!今日も女の人が一緒だね。」

視線の先にはいかにも上流階級の家のお嬢様って感じの女の人と腕を組んで歩いている大佐。
アルより先に気付いていたとは絶対言わない。
本当は見なかった事にしようと思ってたのに、直視しちまったじゃねぇか。

「ねぇ、姉さんいいの?」
「あ?に・い・さ・ん、がどうかしたか?」
「だって…付き合ってるんじゃないの?大佐と。」

さらりと言ってくれるなぁ。
いつから気付いてたんだ?ってそりゃ判るか。

「んー、わからん。」
「わからんて…。悲しくないの?あんなの見て。」
「全然。」
「全然?姉さんどういう気持ちで付き合ってるのさ!不潔だよそういうの…。」
「不潔っておま…お前をそんな子に育てた覚えはないぞ!」
「姉さんだってこんなふしだらな子に育ててないよ僕はっ!」


うわーん!ておい走っていくな凄い目立ってる!!
嗚呼、俺今注目の的だ…。

…………。やばい。
恐る恐る視線を泳がすと案の定俺を物凄い驚いた顔で見ている大佐と目が合ってしまった。隣のお嬢さんはクスクス笑ってるし。てか笑うな!
あー、だからやだったんだ。糞。
俺の顔引き攣ってないか?泣きそうになってないよな。
ポーカーフェイスは主にこんな時にしか使われないけど、かなり板についてきたと思う。
悟らせちゃだめだ。

ぱさりと赤いコートを翻して俺はアルの走っていってしまった方向へ歩き始めた。

俺は平気。
嫉妬なんてしない。足枷にもなりたくない。嫌われたくない。
旅から戻るのは1〜3ヶ月に一回、滞在期間は数日。
誠実さのかけらもない俺が彼に何を求められる?
14歳年下ってだけでもやばいのに、俺は禁忌を犯した罪人。
一時の温もりを感じさせて貰えるだけでも幸せじゃないか。
甘い言葉を嘘でも囁いて貰えると、その時だけは愛されてるって勘違いできるんだから。

それにやっぱり、アルが一番って思っちゃってる俺がいるし。
『君だけを愛してる』って(嘘だろうけど)言われても俺には返事できないから。


でも最近おかしいんだ。
前は気にならなかったのに、ロイのデートを見てしまった日は触れられると吐き気がする。
今だってなんだか頭の中でガンガン音が鳴り響いているみたい。
胸が痛むだけだったはずなのにな。

今回は早めに街を出よう。アルにちゃんと話して、当分戻って来ない。

そんでこんな関係もうやめるんだ。






アル、ふしだらな姉ちゃんでごめんな…。





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吐血(また続き物だようわーん)

pama 2005/10/9








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