| ロイ×エド子短編(三部作予定ですが非連載) 小悪魔志願 side:A |
| ※黒アルが苦手な方はすぐさまUターンしてやってください、お願いしますorz 姉さんが国家錬金術師になって一年。 旅に出るたびに巻き起こるトラブルや遭遇する危険な出来事に、僕は頭を悩ませていた。 事件に巻き込まれる程度ならまだ良かったんだ。 軍内部にも敵の多い、ロイ・マスタング大佐の下についた事で、命だけでなく、貞操を狙われたのは一度や二度じゃない。 幼い姉さんの身体は、まだ何処から見ても少年で通ったし、それを隠れ蓑にしていたのにも関わらず、だ。 プライドの高さゆえ、大佐本人には決して頼ろうとしなかった姉さんは、もしかして強姦されかかったという事実にすら気付いていないのかもしれない。 いや、間違えたら強姦とかそういう事も知らないのかもしれないけど…。 外見だけは大きな僕だけど、所詮は子供の二人旅。 誰かの助けが必要なのかもしれないと思ってしまったのは仕方ない事だと思う。 姉さんは嫌がるだろうけど…。 ある朝僕は意を決し、起き抜けの姉さんに話しかけた。 少し俯き、声には万感の切なさを込めて。 勿論全て計算ずくだ。 宵っ張りの姉さんはすこぶる朝が弱く、寝惚け具合も半端じゃない。 しかし、どんな状況であっても、僕の喋り方や声の調子を察知して甘やかそうとするから。 当然話の内容なんか理解出来ている筈も無く、このテで過去何度も僕の意見をごり押ししてきた。 生まれた時から今までずっと姉さんの弟をやっているんだから、これ位はできて当然。 僕の演技は完璧だ。 「姉さん………ちょっと、いい…かな?」 「んー…おはよアル。どうした…何か言われたのか?……ねえちゃんに言ってみろ…ぶちのめしてきて…やる、ぞ。」 小さな白い左手を僕の鎧の頭に乗せて優しく撫でてくれる。 あとは僕の独壇場。 姉さんは例え寝惚けていようとも、一度口にした事は覆したりしない。 その屈強な精神が仇となっているのに気付きもせず、何度も煮え湯を飲まされているっていうのに、本当に扱いやすいものだ。 僕を信じきっている姉さんに対して罪悪感が沸かない訳じゃないけど、これも偏に姉さんのためなんだから。 「僕怖いんだ……旅を始めて一年になるよね?たった一年の間に危険な目にあったのは一度や二度じゃない…。」 「まぁ…な…。でも姉ちゃんは大丈夫だぞ?アルは俺が守るし、俺にはアルがついてる。」 しっかりとした受け答えではあるけど、未だ姉さんの瞳はほやんと惚けていて完全には目覚めていない。 今だ!頑張れ僕!! 「でも、いつも狙われるのは姉さんで…僕が守りきれるとは言えないでしょ?」 「そんな事ねぇよ…ある、は…つよいんだから。」 「もし姉さんに何かあったら………僕は血印を消すよ…。」 「……なっ!何言ってやがんだよ、冗談でもそんな事言うな!」 ほら、もう一押し。 「だから…ねぇ、姉さん…僕にいい考えがあるんだ。お願い聞いてくれる?」 「………うぅ。聞くよ、聞くから…もう血印消すなんて間違いでも言わないでくれよ…。」 「ごめん…。だって僕姉さんが凄く大事で心配なんだもん…。」 「わかってる…。で、何だ?俺はどうしたらいい?」 僕は心の中でほくそ笑んだ。 姉さんの為って言うのは真実だよ? 僕の立てた計画が実るかどうかは姉さんの演技力にかかっているんだけどね。 「うん…『姉さん』にしかできない事だよ。やってくれる?」 「男に二言はねぇ…。」 「いや…姉さん、その女って意識弱いの何とかならないのかな…。」 完璧だ…。 この計画がうまくいけば、姉さんの身の安全だけじゃなく、この先の旅だってすっごく楽になる。 「でもありがと…姉さん大好き…。」 「俺もアル大好きだぞ。」 僕の頭を撫で続けていた手を取り、そっと引く。 素直に立ち上がる身体を押して、バスルームへと促した。 「シャワー浴びておいでよ。スッキリしたら詳しく話すから。」 「あ?…あぁ。」 姉さんを待っている間、思わず鼻歌が漏れるほど僕は浮かれていた。 だって成功すれば、僕もその恩恵に与ることができるんだもんね! えへへ♪ 水に濡れた髪を、宿備え付けのバスタオルでわしわしと拭く姿は、男らしいとしか言いようが無い。 ちょっぴり不安が残るなぁ。 でもまぁ、素の性格のお陰で男と偽れてる部分も大きいから致し方ないんだけど。 用意しておいてあげたオレンジジュースを一口口に含み、姉さんは僕のほうへと身体を向けて座りなおした。 「で、考えってなんだ?俺にできる事なんだろうな…。」 「うん、姉さんならできるって僕信じてるから。」 正直そこまでの自信は無いんだけど、これ位言っておかないとね。 「マスタング大佐……姉さんは嫌い?」 「たいさぁ?んー…嫌いって言うか、いけ好かねぇな。会えば嫌味ばっかり言いやがるし。」 「大佐に一泡吹かせられるかもしれないって言ったらどうする?」 姉さんの綺麗な金色の瞳が、獰猛にギラリと光ったのを僕は見逃さなかった。 「へぇ、面白れぇな…で?」 「姉さんが大佐を手玉に取るんだよ。」 「は?テダマニトル?」 姉さんは自分の容姿が人並み以上に整っているという自覚が薄い。 それがいかに利用価値があるのかも解っちゃいないから、僕が教えてあげるよ。 「まずは姉さんの事を男だと信じて疑ってもいない、その部分に付け入るんだ。」 「…あ、アル……お前黒いぞ?」 「そう?いつも通りだけど?」 「だいたい、あの超が付く女誑しで有名な大佐が俺なんかに騙される訳無いだろ?ぜってー無理。俺できねぇ。負け戦はしたくねぇんだよ!」 そう来ると思ったよ。 でも僕には切り札があるから、姉さんに勝ち目は無い。 「さっきやってくれるって……『男に二言はない』って言ったのに…酷いや…。」 「ゔっ…。俺そんな事言ったっけか…。」 言ったよ、確かにその口で。 姉さんは勇ましく頭をボリボリ掻き毟り、大きな溜息を一つ零した。 「ちっ、しゃあねぇ…失敗しても俺のせいにすんじゃねぇぞ?腐ってもアイツはあの若さで大佐にまでなった男だからな。俺なんかに手玉に取られるようなタマじゃねぇだろ?」 「しないよ………大丈夫。」 姉さんが思うより多分ずっと簡単だから。 あの人が楽しそうに姉さんをからかい倒して、切れさせた挙句に大喧嘩まで発展するのを何度目の当たりにしただろう。 彼の姉さん以外の人を見る瞳の奥が冷め切っているのに僕は気付いていた。 街中でデートしている女性に大してでさえ、だ。 それは大佐の中で姉さんがかなり特別な位置にいるって事で、本当は女だったっていう事実を突き付けたらどんな色に変化するかなんて一目瞭然。 「僕が可愛く見える仕草とか考えるから、練習しようね。」 「……あぁ……。」 乗り気じゃないのは全身から醸し出す雰囲気で良く判ってるんだけど、安心してね?僕の計画は完璧だから。 「あぁ、そうだ。姉さんこれだけは約束して欲しいんだけど。」 「何?」 「許していいのはキスまで。絶対エッチしちゃだめだからね?」 「………お前俺に何させる気なんだ?」 「小悪魔に、なるんだよ♪」 こうして僕の『姉さん小悪魔化計画』は発動した。 END |
| 黒いなぁ、黒すぎるよアル。 アルファンの皆さんすいませんorz pana 2006/5/23 |
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