ロイエド子幼馴染パラレル
片道逢瀬 2 act.8
※このお話はパラレルです。しかも現代設定な挙句に幼馴染で同い年。無理だと思ったらやめておいてやってください。先に『片道逢瀬』をご覧になることをお勧めします。



設定


エドワード・エルリック(♀)
16歳、高校生。
本当はロイが大好きだけど、ロイが女性にモテ過ぎて意地張ってぷい。

ロイ・マスタング
16歳、高校生。
エドワードと同じ学校へ行ってます。
二人はお隣同士で幼馴染。
ロイ君はエド子さんが大好きです。
大好き過ぎて変態の域です!
モテるんですけどエドしか見えません。



























「エディ、大丈夫?」

「ん…、でも立ち上がるのもダルイ。」

「ごめん…。」

「いや、そういうんじゃなくて。身体は平気、ただ何か…色々どーっと押し寄せてきて頭が飽和状態…みたいな感じかな。」


俺はエディに再度許可を貰い、今度こそ完璧に全身を清めてやった。
湯を張ったバスタブに綺麗になったエディを沈め、軽く自分自身も汚れを落とす。

湯からあげてバスマットに座らせ、タオルで包み込もうと両手を広げた時、思い切り良く…と言うには些か乱暴過ぎるがバスルームの扉が開かれた。


「姉さん!!!」


身体を鍛えているアルフォンスが汗だくになり肩で息をしている姿はとても珍しいもので、エディはぽかんと口を開けたままそれを見つめていた。


「あぁ!!やっぱり…ロイ…いくら幼馴染だからって許せる事と許せない事があるよ!!」


怒りのオーラを漲らせ、アルフォンスはバキバキと指の関節を鳴らし仁王立ちになる。

エディとの仲を認めて貰えるなら拳の一発や二発仕方ないと思っていた俺は、そのままタオルでエディを包み込み、軽く水気を拭き取ると、横に置いておいたフェイスタオルでざっと身体を拭ってそのまま腰に巻きつけアルフォンスに向き直った。


「覚悟はできてるよ。でもこれだけは言いたい。俺は本気だ。将来はエディと結婚して絶対幸せにしてみせる。」

「へぇ…いい度胸だね?僕とやり合おうっていうの?」

「おい!ちょっと待てアル!!」


慌てたエディが座り込んだまま止めに入るが、俺達は互いに引いたりしなかった。


「姉さんは黙って。僕は嫌だよ、こんな女にだらしない奴!友達としてなら何も言わないけど…姉さんの相手っていうならそうはいかない!」

「いいんだエディ…俺が悪かったんだから。アルフォンス、ここは狭い、せめて庭に行こう。」


その言葉にアルフォンスは不穏な笑みを浮かべた。

身を翻し外へ向かう背中を見送り、エディを抱き上げる。


「大丈夫、ニ、三発殴られるだけだ。」

「馬鹿言うな!アルが強いのはロイだって良く…」

「知ってるさ。」




部屋に戻るとベッドの上にエディを降ろし、脱ぎ散らかした服を身につける。


怖くない、なんてことはない。でもこれだけは曲げられない。


内臓がぎゅっと縮こまるような心地で、俺はエディに背を向けた。
これ以上格好悪い姿を見られたくなくて。


「…ロイ…。」

「行って来る。」


階段を降りる俺の耳にエディとアルフォンスの怒鳴りあいが聞こえてきた。
エディの部屋は角部屋で、俺の家に面した窓とは別に庭側にも大きな出窓がある。
そこから顔を出しているのだろう。


「アル!いい加減にしろ!!」

「止めないよ?僕は姉さんが泣くのを見たくない!!」

「俺は泣かねぇ!ロイはもう俺を泣かせたりしねぇから!」


あと一歩で一階という所で足が止まる。
エディの言葉に不覚にもまた目頭が熱くなった。
ぎゅうと手を握り締め、俺は顔を上げ大きく息をひとつ吐いて。

もう何も怖くないと、そう思った。




素足で窓から侵入したので、俺はリビングから何も履かずに外へ出た。
綺麗に刈り揃えられた芝生が足の裏をくすぐる。


「へぇ…てっきり姉さんの足元で半べそかいてるかと思ったのに。…良く出て来れたじゃないか?」


不敵に笑うアルフォンスに笑顔で返す。


「だってお前を乗り越えなきゃこえからエディと幸せになれないだろ?」


不思議と俺の心は穏やかに凪いでいて、それがまたアルフォンスの神経を逆撫でする。
ぎらぎらと睨みつける目に力が篭った。


「姉さんがどれだけ辛かったか…知らないくせに…。」

「聞いたよ…。悪かったと思ってる。」


でももう過去はやり直したりできないのだ。
悲しい思いをさせたこの数年間。
エディを隣で見てきたアルフォンスだって辛かったに違いない。
昔から姉想いの弟だから。


「エディだけなんだ、今も…昔も。」

「信じられると思う?」

「思わない。」


ちっ、とアルフォンスは舌打ちをした。
普段温厚な彼には信じられない事だったが、すっと腰を落とし戦闘体勢に入った姿を見て、そんな事を考えている暇は無くなった。
俺も誘い込むように腰の重心を下げる。
先手を取って俺の懐に入ってきた瞬間、身体の力を抜き、目を閉じた。

ぐっと奥歯を食い縛るが、いつまで経っても衝撃は来ず、そっと薄目を開く。


「姉さん…本当にコイツでいいの?」


親指を握り込んだ拳が俺の頬の手前で止まっていた。


「あぁ、ロイがいいよ…今も、昔も。」

「泣いても知らないよ?」

「そんときゃアルが殴ってくれんだろ?」

「殴る?殺すよ…。」

「…じゃあ、そん時はよろしく!」


二階の窓と庭とで交わされた会話は内容こそ殺伐としていたけれど、声だけは穏やかで、黙って聞いていた俺は情けなくもすとんとその場で尻餅をついた。

握り締めたままの拳を口許に寄せ、アルフォンスは笑う。


「泣かせたら、殺すよ?」

「……………ハイ。」








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うちのアルは良く殺人予告する気がします(何)


2006/6/6 pana








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