毎日お世話になっている河巳様に捧げます。Happy Birthday!

キスとちゅーの攻防戦













漸くホークアイ中尉からもぎ取った一時間の昼休憩。
私は久しぶりにやって来た鋼の錬金術師の手を取って、軍が民間の顔色伺いに作った併設の公園に出向いた。
たいした遊具は無いが、結構な敷地の中に植えられた様々な木々と、四季で色を変える花壇が目を楽しませてくれる。

秋も深まりつつあるこの時期は、少し肌寒いが常に身につけている軍服には程よく、一年の中でも一番と言って良いほど過ごし易い。
それは、機械鎧を隠すためか、常に真紅のコートを身に纏う少年にも言えるのだろう、名も知らぬ常緑樹の根元に幹に背を預け座る彼の表情はとても穏やかに見えた。

並んで腰掛けた私を気にする風でもなく、心地よい風に頬を緩める。

なんだか妙に癪に障って、垂れ下がる金色の尻尾を掴むと、ぐっと引き寄せ、その甘い甘い唇を奪ってやった。

ちゅっと軽い音を立て、離れた顔は見事に赤く染まり、公園内に所々見られる紅葉も霞んで見える愛らしさ。

思うまま肩を抱き寄せると、離せと叫んで暴れ始めた。


「アンタはなんでそうやって所構わず…っ、ちゅ、ちゅ…ちゅーしやがるんだ…。」


ちゅー…、ちゅーって君…。


「キスと言いたまえよ…。」

「………るせぇ、恥ずかしいんだよその言葉。」

「そうかね?私にはちゅーの方が…。」


恥ずかしいと思うのだが…。
と、そこまでは言わずに一思案。

小憎らしい、愛する子供は唇を突き出して未だにぶつぶつと何か文句を言っている。

にっこり。
胡散臭いと呼ばれる類の笑顔を浮かべ、鋼のの耳元へ唇を寄せ、囁くように息を吐きかけ問いかける。


「ちゅーしていいかい?」

「…………!!!!」











「馬鹿野郎!恥を知れ、テメェの面でちゅーとか犯罪級に恥ずかしいわっ!!」

鋼のは私を思い切り突き飛ばすと、物凄い速さで走って逃げていってしまった。

置いてけぼりの昼下がり、二人でぼんやりしたかったのに、また間違えてしまったようだ。
耳まで染まった彼の怒り顔を思い出し、くすりと笑う。

罪悪感を抱くほどに幼い少年に恋をしたずるい大人の自覚を持って、私はのっそりと立ち上がると、肩をごきんと一回鳴らして彼の消えていった方向に歩き出す。





「ちゅー」の似合う子供が「キス」の上手な大人に捕らえられるのはそれから休憩時間終了間際の十五分後の事。





END


相変わらずタイトル思いつかないpanaです。
このSSは河巳さんへのお誕生日プレゼントとして書かせて頂きました。
頂いたお題は「砂吐き甘々ロイエド」orz
背景の絵は安荘様がロイを描いてくださって、めっちゃかっこいいです!!!
エロテロリストですよ安荘ロイっ!ワタクシくらくらです(´д`*)
河巳さんが少しでも気に入ってくださったら、私は幸せです。
これからも仲良くしてやってくださいませね♪

pana 2006/9/27








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