駄目 act.5





泣き疲れて眠る子供を抱いて執務室に戻るとホークアイが駆け寄ってきた。
ハボックは両手を後頭部に当ててニヤニヤしている。あとで表皮焦がす!

心配そうにエドワードを覗き込むホークアイにもう一度「すまなかったな」と言った。

「可哀想に、こんなに泣き腫らして…」
彼女は足早に執務室を出ると濡れたタオルを用意して持ってきてくれた。
瞼に当ててやると気持ちよさそうに顔を擦り付けて…ふと、なんと愛おしい子なんだろうと思う。

柔らかくて暖かくて甘い匂いがする。子供特有の匂いとはまた違って機械油の厳しさも見え隠れするものの、とても好きな匂いだと思った。

「あれ?」

ふいに声を出してしまった。

「どうかしたんすか?」案外耳聡いなハボック。
いや…

今までとは少し違う感情に「父性愛」という名前を勝手にこじ付け納得して、その場は意識を逸らす。
ロイは抱いたまま立っているのも流石に疲れたようで革張りのソファーに目をつけた。

「ハボック、どかんか座れんだろう。」

少し小声で窘めると「へーへー」と気の抜けた返事をして立ち上がった。

「大佐、執務に支障が出ますので私が抱いていましょうか?」

機械鎧の分、普通の女性には少し重いだろうがホークアイは軍人。大丈夫だろうとは思いつつ少し名残惜しい。
なんとなくだが今のこの現状が幸せに感じていたからだろう。

「いや、もうすこ………お願いしようかな、あははー」

『仕事しない気か?この無能!』と目で語り凍りついた秘書官の笑顔程怖いものはなく、思わず頷いてしまった。
一瞬でそんな表情を捨て去り、まるで壊れ物を扱うような優しい腕を差し出してくる彼女に、思わぬ母性を見つけてしまい驚いた。女ってのは凄い。

「ん?」
「あれ?」
「ぶっ」

熟睡したエドワードの手はロイの軍服を握り締めたまま離れず、引き離そうとすると益々しがみつくのだ。

「困りましたねぇ…」
「はがれないっすねぇ〜」

とは言うものの、気持ちよさそうに寝息をたて、時折幸せそうに顔を胸に擦り付けているエドワードを無理矢理引き剥がすのも気が引けて。
さっきまであんなにイジワルしてた馬鹿上司は、なんの心境の変化か目尻を極限まで下げてにこにこ笑っている。

可愛い弟を奪われたような不思議な憎しみが沸き、ホークアイは大佐の机から一抱えの書類を取るとそれをどっさりとソファーから手の届くサイドボードに置いてやった。

「大佐、まるで孫とお爺さんのようですね」

生真面目な秘書官は後ろで爆笑しているハボックと、お構いなしにデレデレ顔の大佐を横目に見ながら不機嫌を隠しもせずに愛銃の手入れを始めた。





/ END
わけわかんなくなりました(´ω`)
そういえばこれ初めて書いたロイエドかもorz

pana








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