| 駄目 act.1 |
駄目駄目駄目駄目! あれも駄目、これも駄目! だから嫌だったんだ。会いたくなかった。 こんなおっさんダイキライ…。 それは昼下がり、溜まりに溜まった書類を必死の形相でこなしているロイ・マスタング大佐の執務室。 横にはものぐさな大佐の分も足と脳を動かし続けているホークアイ中尉がいた。 「まぁ待ちなさい。」 そう言われてからどれくらい経っただろうか。 紅茶の入っていたカップは空、読みたい本があるでもなく手持ち無沙汰だ。 いらいらする。 なんかしてなきゃ気がすまない。 だいたい、俺こんな所でぼーっとしてる暇ないのに! 暇つぶしに会話でもできそうな鎧の弟は、今日に限って市内の民間用図書館に行っていた。 こんなんだったら図書館でも行ったほうがマシだってば。 だいたい今日は誰が呼び出したと思ってるわけ? 「鋼の…」 突然声をかけられ少し驚いく。 いつの間に自分を見ていたのかと。 「貧乏ゆすりはやめなさい。みっともない。」 ああ、気付かなかった。確かにみっともないよね。 ぶっきらぼうに「あぁ」とだけ返事してそっぽを向いてみた。 大人ぶってさ、いや大人なんだけども。だったら仕事くらい、真面目にやれってんだ。 「あとな、爪を噛むのは駄目だ。形が悪くなる。」 爪まで噛んでたのかと指先に目を落とす。 今度は返事もしなかった。 些細な注意なんだけど…イラつく。 「靴をソファーの上に乗せるんじゃない。」 もやもや 「だいたい君は今回も連絡ひとつよこさずに、一体何ヶ月旅を続けたと思っている?」 いらいら。 「職務怠慢と言われても仕方がないんじゃないのかね…」 むかむか。 肩をすくめ溜息交じりに文句たれはじめた大佐を多分素で睨み付けてた。 止まらない大佐のお小言。 募るイライラ。 「栄養くらいはちゃんと取ってるんだろうね。お菓子ばかりでは大きくなれんぞ。」 少しでも大人ぶりたくて下を向く。 爪が食い込む程手を握り締めて。 ぶるぶる震えるのが判る、ああもうだめそう。頼む黙って…。 「話を聞くときには相手の顔を見なくては駄目ではないのか?」 ぷちり 「…っせーよ…」 顔も上げずに呟いた言葉をロイが聞きなおす。 「うるせーって言ったんだよ!なんだよ駄目駄目って!!!」 思わず鋼の方の手でテーブルを叩いてしまったために、ミシリと嫌な音。 驚いてハボック少尉も覗きにきた足音が聞こえた。 「ネチネチお小言言ってんじゃねーよ!おっさんくせー!」 「おっさん」というキーワードに些か怯んだ様子だったが、年長者の余裕か ふん、と鼻を鳴らすだけ。 あ、もしかして俺馬鹿にされてんの? 子供だから? 悔しくて堪らない。 このままじゃ言い負かされるのは目に見えていて、顔を上げられない自分自身が恥ずかしくて、思わず執務室を飛び出してしまった。 「エドワード君!」 背中からホークアイの声が聞こえたがこんな顔見られる訳には行かない。 急いで、どこかに隠れなきゃ。 走って走って隠れられる場所を探す。 ここもだめ、あそこもだめ。 だめばっかりじゃんか…。建物にまで否定されてホント悔しい…。 少し振り向いて誰も追いかけてきていないのを確認すると、ほっとしたように歩き始めた。 見られたくないんだ、ガキみたいに泣いてるところなんて。 建物の裏口から表に出る。 裏庭があって、誰が手入れしているのか日の当たる建物の壁側に小さな花が植えられていた。 ここなら大丈夫。 ふと目を上げると建物と外壁の隅っこに座った自分より背の高く雑草の生えた一角をみつけた。 ここならいいかな。蹲ってしまえば姿は見えないだろうし。 もう少し頑張れ自分。 そう言い聞かせてエドワードは再び歩き始めた。 / → |
ふ、普通に書いてたらエドが6歳児くらいの知能になってしまいましたorz ロイのショタ魂を呼び起こしたおこちゃま仕様のエドをお楽しみください。 時代設定的にはエド12歳です(ぇ pana |
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