エド子連載系
Romanticが止まらない act.6.5





国家錬金術師の資格を受け取ってから2週間、僕達はまだイーストシティにいた。
捨ててきた故郷リゼンブールには図書館などなく、僕等の知識は父の残していった蔵書のみだったから、イーストシティの図書館、軍の図書館、特別閲覧室、資料室などまだまだこの場所で拾えるであろう情報が長期間の足止めをさせていた。

これだけの書物を前に知識欲だけが発達し過ぎた姉が、文献を読み始めると周囲が一切見えなくなり平気で食事睡眠を疎かにする事を知っている僕はそれが杞憂に済んでいる事実に驚かされている。
何故って、東方司令部の僕等を良くしてくれている人たちが毎日代わる代わる食事に誘ってくれるから。
僕がいくら注意しても、怒っても聞いてくれなかったっていうのに。


どうしてこんなに親切なのか、勿論皆さん凄く良い人達でこの状態を疎ましくなんて思ってないしむしろ楽しんでくれているのは解っているのだけれど、誰かが暗に指示しているのはすぐに解った。


だって食事の度に僕の前にもジュースが運ばれてくるから。
間違いない、マスタング大佐だ。


勿論大佐本人も誘いに来ていた。
左官だからだろう、多忙さから決して毎日ではなかったけれどわざわざ図書館まで迎えに来てくれて三人でディナーへ行く。


食事を取れない僕自身が姉が食事をしない原因の一端であるのを知っていた僕は心の底から彼等に感謝していた。

姉の瞼にキスしたのは許せなかったけど、なんだかこの人達なら…いやマスタング大佐ならあの偏屈で頑固な姉を包み込んでくれるような気がし始めていたんだ。
だって僕は気付いてた。



僕が姉さんを守るのには限界があることを。



伝説級の探し物、人体練成を行った罪、それを証明してしまう僕の空洞の身体、国家錬金術師でありながら性別を偽っている姉。
それをあの人の肩に預けてしまっていいのだろうか。





迷惑なのは解ってるんだ。でも…。




僕からは言えない。姉さんと約束したから。

大佐、気付いて下さい…兄さんが姉さんであることを。
役立たずな大きいだけの鎧の身体は、姉さんを温めてあげることができないんです。





それでなくとも迷惑ばかりの僕達を貴方は大事にしてくれるから。
もう少しだけ、僕の事はどうでもいいから姉だけでも甘えさせてはくれませんか?






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ロイを信用した弟。

pana








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